2018年8月14日火曜日

飛行機どろぼう

先週の金曜の夜、シアトル空港で、航空会社の従業員が自社の旅客機を盗んで乗り回したあげく、都心から離れた島に墜落するという事件がありました。

私たち、じつはその日から2泊でシアトルへ行くことを計画していたのですが、午後になって夫が職場から「腰の調子が悪いので旅行を延期したい」と言って来て、急遽キャンセル。

私たちがこのニュースに気づいたときはすでに事件は終結していましたが、詳細がわかっていなかったので、11時前から1時間ほどニュースに釘付けになってました。

シアトルは夫も私もとても身近に感じている土地なので、人ごとには思えないのです。



管制塔の人と飛行機泥棒の人とのあいだのやり取りがすべて録音されていて(生中継もされていたらしい)それを聞くと、そのへんによくいそうな、ふつうの青年がいたずら心を起こしてやっちゃった、みたいな印象を受けました。

実際、あとで写真やYouTubeの動画なんかを見ると、ほんとに平均的な白人男性なんですよね。何か思い詰めてるような雰囲気もしないし、いったい何が彼を動かしたのか…。

テロの可能性もあるからなのか、ポートランドに常駐している戦闘機のF-15が二機やってきたりして、場合によっては撃墜の可能性もあったっぽい。

しかし実際は自殺志望者?だったみたいで、管制塔の人もF-15のパイロットたちも、市街地から遠い場所に着陸させるため、がんばって誘導しようとしてたらしいです。

最終的にはシアトルから少し離れた、ほとんど人の住んでいない小さな島に墜落し、操縦していた29歳の白人男性(あとで名前が判明、リチャード・ラッセルという人)だけが亡くなったようです。

この事件を受け、直後にホライズン航空(リチャードの勤務先)のCOOが発表したコメント:



日本だったら必ず言うであろう「お客様に多大なご迷惑をおかけし大変申し訳ございません」的なものではなく、事実をたんたんと述べたあと、リチャード・ラッセルの家族を思いやるコメントをしているのが興味深いと思いました。

そのあとアラスカ航空(ホライズンの親会社)のCEOが出したコメントも同様。


「事件を知って悲しんでいる」とか、家族や同僚を思いやる言葉が入っていて、上層部の人たちからしてあったかい会社なんだろうかと心がほっこりしました。


まあ自分がもし当日事件に巻き込まれて足止め食らってたとしたら、ほっこりどころじゃなかったとは思いますが…。

このあと、リチャードの家族が出したコメントを見ると、家族はクリスチャンのようです。リチャード本人もそうだったのかなとググってみたら、やはりそうだったっぽい:
Suspected Seattle airplane thief was adventurer, bakery owner

なーんとなく、その場でぱっと「おっ、今なら飛行機の操縦できそうじゃん?」と思いついてやっちゃったものの、事態の重さに気づいて墜落させてしまったのかな?という気がしないでもないですが、ほんとのところは本人しかわからないですね。

Tuesday, August 14, 2018

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北米日記
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